高齢出産の年齢って知っていますか? 35歳以上の出産が、高齢出産になります。39歳で結婚、妊娠が分かったのが40歳。誕生日までの期間に無事に産むことが叶えば、出産年齢は40歳と言う超高齢出産でした。いわゆるハイリスク妊婦。
迷わず無痛分娩を選択、順天堂病院に決めたのは、24時間体制の麻酔科医がいて無痛分娩に対応している経歴が長く、総合病院だったので、まさかの胎児リスクにもフォローが効くから。私は幸いにその病院を選べましたが、普通の産科クリニックではハイリスク妊婦の受け入れはないということもよく聞きます。それだけ危険と隣り合わせの妊娠なのだなとその時初めてわかりました。
無事に生まれて、そろそろ5ヶ月。夜の8時にはちゃんと寝てくれて、深夜に起きることも1回~0回になってきました。少しずつ生活に余裕ができたこともあり、自分自身の変化について書いてみようと思います。
高齢出産のメリットは2つ。
マスメディアや、雑誌に高齢出産にはたくさんのメリットが書かれている記事がありますけれども、私が感じたメリットは実際2つしかありませんでした。
それは、経済的な余裕と精神的な余裕です。
①経済的な余裕について
高齢出産の1番大きなメリットだと思います。私自身で振り返っても20代の頃、30代前半はいつもお金がありませんでした。イタリアに留学をして、キャリアがいちど途切れているので言わずもがな。
新卒から入社して、40代に近づく頃には仕事歴15年以上。キャリアも積まれていくし、ポジションも変わり、昇給や、貯蓄の期間もたっぷりあるので経済的なゆとりが生まれてくる頃が40代だと思っています。
もし私自身が30代前半に出産していたら?と考えてみると…シッターさんを頼むなんてきっとお金を理由にできなかっただろうし、働きやすい職場環境や時間裁量よりも収入の多い会社にぱぱっと転職をしたりと考えたかもしれません。または、マミートラックにはまりそうになりいったん退職と言う道もとったかもしれない。
40代での妊娠、出産は経済的な面でメリットは間違いなくあります。夫婦共働きであれば、ダブルインカムで生活にも多少は余裕が出来、お金のことで揉めるのだけは・・嫌ですよね。今まで築いてきたキャリアをうまく生かせば、出産後の転職や昇進のチャンスもあるかと思っています。
がむしゃらに頑張ってきた30代のキャリアを少しずつ取り崩しながら、再構築しながら、将来を考える余裕が出来るのは大きなメリットのひとつだと思っています。
②精神的な余裕と守りたいものがいる、と言う基盤は強い。
メリットのもう一つです。子供が生まれる前、私は独身の自由さを謳歌していました。忙しい仕事、一人暮らし、海外出張、やりたいことに思う存分時間をかけられる余裕。
その自由を謳歌している中で、どこかいつも「自分のことだけに、これからの人生かまけていて良いのだろうか」と言う気持ちがフツフツと。
自分のことばかりやっていても、何か時間が満たされていかない。自分自身のことばかり考えている時間を過ごしすぎて、周りへの配慮や、視野が狭くなっているなぁといつも感じていました。
子どもが生まれてから・・・毎日ミルクをあげて、オムツを替えて、お風呂に入れて、寝かしつけ。赤ちゃんは本当に自分で何もできない。
私自身を絶対に必要としてくれる存在で、私がいなくなったら赤ちゃんはどうなるのか?
独身の時、全く感じていなかった感情が現れ、自分自身の基盤、パートナーとの関係をしっかり作っていきたい、守っていきたいと言う気持ちが生まれてきたんです。
いつもどこかで感じていた孤独感、と言うものはなくなってしまい、変な話ですが自分に自信が生まれました。
高齢出産の最大のデメリットは?
子供が20歳になった時、私は60歳。「一緒にいたい」と言うのはちょっと違いますが、1番思うのは
子供の人生を見ていられる時間が、他のお母さん達よりも少し短い。
子供もいつか結婚をして子供を持つとする。私のように、40歳で結婚そして出産をするとしたら…。私は80歳! 孫が10歳になる頃には、なんと私は90歳です笑。
時間だけはどうしても取り戻せない。
ここは考え方がいろいろあると思いますが、
親は先に行ってしまう
子供はいつか巣立ってしまう
隣に残るのは、パートナーだけ
パートナーに先立たれたら、自分だけ
と、私は考えています。長いスパンで考えてみると、今のルーティーンに思えるような日常もものすごくかけがえのない時間だなと思うことしばしば。
本当に体力維持、向上は大切
産後に身体を休めることがこれだけ大事とは!というのは身をもって学びました。特に、体力を過信しがちな40代女性って、これくらいだったらダイジョブでしょ、寝なくても平気、マラソン走れるくらい体力あるから大丈夫とかとか・・・って、ダメです。
特に産後2か月くらいは、無痛分娩であっても、経産婦であっても、身体を休めることに専念。とはいえ、24時間体制の授乳やら、家事・・はなんともカットできないので、パートナーに大変さを理解してもらったり外部の手を借りるなりして、とにかく負担を減らす。
で、産後2か月過ぎたあたりからはネントレして、自分の睡眠時間を確保しましょう。私はこれをしたことで、生活がかなり快適になってきました。
眠ることは、まず何よりの優先。7-8時間睡眠は母親こそカットしてはいけない時間です。
子どもと過ごせる人生の残り時間が少ない40代出産。お金も大切ですが、自分自身の体力もほんとに大事!
独身の頃から健康には気を使っていましたが、健康診断や歯の定期健診、毎日なるべく1万歩(これはなかなか難しい><)、自炊ご飯にしています。
今年中にハーフマラソンの距離を走れるくらいまでに体力回復しておくのが目標なので、8月半ばの避暑中はランニング2回行ってきました(2日間の合計で18km 走れてうれしい!)。
育休中で比較的時間の都合もつくので、近所にある区が運営しているスポーツジムにも。この間、体験レッスンをしてきたので週2回を目標に続けていきます。久しぶりの筋トレ!身体がミシミシ・・・と心地よい疲労感。
妊娠期間から合わせると1年位運動らしきことからは離れていたので、ジワジワと体力アップをしていきたいし、人生を謳歌するには何はともあれ健康、ですしね!
これから高齢出産する人に伝えたい事
35歳以上の妊娠、そして順調な経過をへて出産することは本当に奇跡なのだな・・と出産を振り返って思っています。私は不妊治療も無しで、まさに「さずかった」こともあり、妊娠出産についての知識はほとんど無く、無い状態にもあまり自覚がありませんでした(汗)
妊娠が分かった時、夫が漫画「コウノドリ」を大人買いしてくれたので夫婦で熟読。私はなんだか出産の恐怖が先走ってしまい全巻読破はできませんでしたが、出産のプロセスやリスクについてはある程度把握することが出来ました。
まず、積極的な情報収集をオススメします。周りに高齢出産をした人がいたら連絡を取ってみたり、書籍やwebの情報等。
あとは、どうしても体力を過信しがち、そして仕事が楽しい年齢になっているので、くれぐれも優先するのは、「自分の体」ということを忘れないことかなと。「今までダイジョブだったから、平気へいきー」というのは・・禁句です。
パートナーとの会話を増やしていくのもオススメします。結婚しただけだと、あまり独身時代と生活が変わらない?方が多いかと。私自身実際そうでしたし、出張も通常通り。けれど妊娠、出産したらそうはいかない。妊娠期間中に変化していくのは女性だけではなく、パートナーとの関係も変わってくる時期なのかなと。家事の分担や、日々の細かな確認事項や将来のこと、自分の悩みや今困っていることetc なんでも良いからどんどん話していくことで相手のことも理解できるし、家族のbest way を考えられます。
話さないと分からない、ですよね。女性は察してくれるのを待って待って待ちすぎて・・相手にイライラしてしまう→キレるのループは・・出産後に出やすいですが💦、コミュニケーション量が多ければ多いほど、トラブルは減らせるのだなと思っています。だからこその、たっぷりコミュニケーションで!
お金のこと、将来やりたいこと、教育のこと、家事分担のこと 等をメイントピックで定期的に話す時間を取ることをオススメします。産まれてくるとホントに時間がないので💦
私は結果的に高齢で子供を授かりましたが、もしもっと早く子供を産んでいれば、二人目も考える可能性もあったのかもしれない。けれど、それはそれ。今の状態に大満足しています。自分自身の努力でどうしょうもならない部分もあるのが「子供を持つ」ということなので、さずかった命をいとおしみながら、育児生活を「不便、大変」要素をなるべく減らしていくことに努めたい。
子育てはまさに未知への扉をどんどん開いていく感覚。どんどん変わってくる赤ちゃんの顔つきや体の動き、そして仕事ばっかりしていた自分の気持ちの変化や夫との関係。家族メンバーがひとり増えることってまさにパラダイムシフトが起きる。
変化にしりごみしがちだった時期を長く過ごしてきた私ですが、最近は変わっていくことをようやく楽しめるようになってきた・・のも子育てという不可逆なイベントがあるからこそ。これからも、いわゆる「母親像」にあまり縛られることなく、のびのびと育児や生活を満たしていきたいと思っているこの頃です。