以前、村上春樹ライブラリに行った時に大きな本棚がありました。村上春樹の著作が並べられているのはもちろん、その話の内容にまつわる様々なカテゴリーのオススメ本がたくさん置いてありました。
旅、哲学、電気、生活、思想、宗教…。
Amazon オススメ本リストでは全く紹介されない本達。思わず背表紙だけでも写真に撮ろうとたくさん収めていました。
連休に入る前に、ふと本が読みたいなと思い、その写真からピックアップしたものをいくつか図書館で予約。全てが在庫ありと表示されたので、休み中にのんびりと読み進めています。
そのうちの1つの方がこれ。
「旅の効用」人はなぜ移動するのか
村上春樹ライブラリーでもパラパラとめくった本の中で、言葉がぐいぐいと心に迫ってきた本でした。
私は移動や旅が大好きです。
一人旅、留学中の旅、日々の散歩、子供との公園の時間や、何でもない移動の時間が本当にリラックスできるし、新しい発見のヒントにもなったりします。
海外で自分を見つめ直す、一人旅で自分発見の旅…なんて言葉に憧れた時もありました。
当時自分が感じていた思いや、気持ちはもうなかなか今思い出す事は無いけれども、この本を読むことで様々な記憶がフラッシュバック。
スウェーデン在住の著者、全く私とは接点がないけれども、旅の記録や内省を通じて出た言葉を拾ってくると、世界はつながっているんだなぁと思います。
「思うに、1日に少なくとも4時間あるいはそれ以上、世の中の束縛からすっかり溶け離れて森の中を歩くとか、山や畑をぶらつかなければ、私は、健康でバランスのとれた気分を維持できなくなる」
歩いて自分に向き合う、歩いて考える
「歩いて移動する旅をするのは、一見すると気楽そうだが、その間、意識は、今後のプランや今までの思い出、見てきた物事をたどっている」
遥か遠くまで歩いていくことと、大きなことを考える事は相互に連携しているのだ。
歩いていれば記憶が消える事は無い。世の中を見る事は、自己を探求することと同義だ。歩いていけば、とても簡単に世の中に出ていけるし、自己の中に入り込むこともできる。
歩いている時にこそ瞑想できると考えていたので、こういう文章を残している。
「立ち止まれば考えが止まる。心が動くのは、両足と連動する時だけだ」