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REVIEW

いつまでも好奇心を大切に。「ファクトフルネス」を読んで思ったこと。

年末年始あたりのTwitter タイムラインでちょこちょこ見かけていた本「ファクトフルネス」(原題:FACTFULNESS)。統計、データがたっぷりの本?数字がたくさんなのは苦手・・だけど、なんだか無性に気になるなぁ・・と思っていたら、今週頭に読むきっかけがあり、手に取りました。Kindle ではなく、紙本で。紙本の厚み、触感、裏拍子にあるカラフルなバブルチャート。内容にあっという間にひきこまれ、今は亡き著者ハンス・ロスリング氏が遺してくれたこの本との出会いに感謝しています。

現実を私達は知らないと、自覚する

普段の情報収集先はどこですか?テレビ、雑誌、ラジオ、twitter等のSNS等々。私の家にはテレビが無いので、主な情報元はネットから拾ってくるものばかり。幸い?芸能ネタにはまったく興味がないので、情報も入ってきませんが・・いわゆるニュースってセンセーショナルなもの(例えば災害、犯罪、暴力等)ばかりが多い気がしています。そしてそれを掻き立てるような記事、映像、動画。そう「見えてしまう」のは、人間の持っている「本能」である、とこの本は断言していて、判断ミスやゆがんだ世界の認識を持ってしまうとのこと。その事実をメタ認知しているかどうか。その事実に気づけることの大切さを、まずこの著者は教えてくれます。そして・・世界はより良い方向に進んでいる!という事実がふんだんにデータと共に紹介されています。  

分断本能「世界は分断されている」という思いこみ

 ここ何年かずっと言われ続けている格差社会について考えました。所得、性別、仕事や住んでいる地域。環境や、付き合う人によって「幸せ度」が変わる、ということ。この本では格差についてあまり言及していませんが、最近のニュースやウェブ情報をざーっとみていると、悩みや不安事を積極的に「生産」しているような気がしてなりません。足りないことを煽る内容、見つけることを急かす記事・・等々。人間の欲望には限りがないし、不足感を突かれると、ああ・・w となってしまう。それも人間のネガティブ情報に反応してしまう癖、ネガティブ本能なのだと分かることは、事実をきちんと見ることの大切さを教えてくれました。 

だからといって、楽観主義でいよう、というワケではない著者ハンス氏の可能主義者という姿勢がとても好きです。よりよくなっている現在を認識して、進歩や成長をしていくことを進めていく。毎日は微細な変化に富んでいて、長い目でみれば良い方向に進んでいると考えて、そうだって納得していくことって本当に大切なのだなと。

初めての国「だけ」に行く旅を通して感じたこと 

去年の夏に、初めての国「だけ」行く旅行に行ってきました。期間は約2週間。お気に入りの国に行くリピート旅行も好きですが、せっかくの機会なので思い切って、新婚旅行にかこつけて笑 訪れたのは、ロシア、エストニア、フィンランド、キューバ。出国前にビザの取得が必要な国(ロシア、キューバ)もあったので準備がギリギリになりなんとかセーフ。過去、スーツケース盗難やロストバゲージに散々あってきたので、大きなスーツケースは無し。小さな機内預け出来るリモワトロリーと、リュックの荷物だけで出かけました。

訪れたことのない国ばかりだったので、「恐怖本能ー危険でないことを恐ろしいと考えてしまう思い込み」というのはどこでもピリピリとしていたように思えます。大きなトラブルは全くなく無事に旅を終えて帰国しました。安全に徹して、情報収集はすることは勿論大切。けれど危ないから止める、というのは新しい知識や経験を知る機会を逃してしまうことにもつながります。ロシアは思ったよりも観光客が多く案内がわかりやすい、エストニアはIT先進国で電子国籍が取れ会社設立も出来る、フィンランドのカフェの多さと街の散策しやすさに驚き、キューバの現金のみ決済にびっくり。どれも行く前は全く分からなかったことばかり。 

自分の枠外に出ようとする、知識を集めて好奇心を絶やさない

「ファクトフルネス」を読んで、日本で生まれたことは良かったのか?それってほんと?と・・ぐるぐる考えています。日本のパスポートは最強と言われ、ビザ無しで行ける国もたくさんあります。確かにその恩恵は、海外にいくと感じることも多々。イタリアにいる時には、日本人のパスポートは高い値段で闇売買されるから管理に気を付けてと何人に言われたことか。

でも、そんな話を聞いていたころから10年も経ちました。欧州、先進国へのあこがれが強くてヨーロッパばかり見ていましたが、最近はイスラエルや、深セン、バンガロールが気になっています。人口が増え、需要が増え、発展のスピードが早い国。高城剛さんのメルマガ Future Report ではマスコミやメディアでは報道されない情報を発信してくれており、ついつい日本の事情ばかりになってしまう頭の中をシャッフルしてくれます。 

自分が住みたい国を自由に選べる力、仕事、生活を回していけるコツを集め続けていきたいと思っています。世界がどんどん良くなっていると、この本で知れたこと。前向きに将来、自分の人生に向き合っていきたい、いけるんだ!という希望を与えてくれた本。


本棚にしまう前に、ひとりでも多くの人に読んで欲しいと思って久しぶりのブックレビューを書いてみました。